シラカミ神社
その場所は、遥か古の時代よりヤマトに生きるヒトの営みを見守り続ける。
ミヤコから少し離れた山々の中に、シラカミ神社は存在する。かつては多くのヒトから信仰を集めていたのがうかがえる、巨大で荘厳な鳥居が神社を訪れる者を出迎えてくれる。しかしその鳥居がある長い参道は、近所に住むヒトたちですら億劫になるほど長大で、今では神社への参拝客は稀になってしまった。現在はとあるカミが住み着き、巫女代行を名乗っているらしい。
シラカミ神社・本殿
見渡す限りの空。樹上に拵えられた本殿から見える絶景も、見慣れてしまえば日常の一部だ。
シラカミ山の天辺、神社の境内にある巨大なご神木。雲を貫くその梢に、シラカミ神社の本殿は建てられている。本殿にヒトが立ち入ることはなく、彼女は自らの使役するシキガミや野生のケモノたちと共に暮らしている。
オツトメを終えた彼女にとっては、カクリヨに流れ着いた遊具で遊んだり、「まんが」と呼ばれる書物などに触れたりする時間が、何よりの息抜きになっている。時々、彼女を訪ねて友人がやってきては、「てれびげーむ」とやらに興じているとか、いないとか。