華やかな装いを見せ、沢山のヒトビトで賑わうヤマト一の大都市。
不思議なことに、この地の桜は決して散ることはなく、四季折々の景色とともに咲き誇る桜を眺めることができる何とも雅な場所である。
ミヤコの中心を貫く大路の先に待つのは、荘厳にして巨大なオオカミを祀る大神宮。
そしてその最奥にあるのは天を貫く大神木。遠方から見れば、それは塔にしか見えず、あるいはそれは本当に、古の神が建てた塔なのだとも語られている。しかし、その木がいつからそこにあるのか、なぜこうも巨大なのか、そのイワレを知るヒトは誰もいない。
ミヤコのようにヒトが多く住む場所には、ケガレが集まりやすく、ケガレはヒトビトに取り憑き、彼らを悪しき行いへと駆り立てる。そんなケガレを払うのは、カミガミの最も重要なオツトメの一つである。
シラカミ神社の主も事あるごとにミヤコへ呼び出されては、日夜ケガレバライのオツトメを押し付けられているそうで、そんな彼女らの活躍により、街に暮らすヒトビトの平和は維持されているのだった。